
パリと京都が溶け合うホテル空間
フォションホテル京都では、どのようにフランス・パリと日本・京都を対比、融合させるかをコンセプトに、素材、技術、伝統工芸や様式を現代解釈し、空間が構成されています。ホテルとしてのアイコンである白、黒、ゴールド、そしてフォションピンクの4つの色を様々な素材や家具、アートに取り入れながらホテルブランドを表現し、素材においても、色味においてもパリと京都が混在しているようなホテル空間となっています。
フォションホテル京都の館内には、オーダーメイドのアートワークも随所に数多く設置。滞在中、時間の許す限り館内にあるすばらしいアートやこだわりの数々を、ぜひゆっくりとご堪能ください。
桜のモチーフ
京都を代表する花が桜であるということ、桜の色とフォションのブランドカラーであるピンクの親和性があることから、
館内では至る所で桜のモチーフを見つけることが出来ます。

エントランス天井
フォションホテル京都を訪れた人がエントランスに踏み入って上を見上げた時いつでも、春の京都に出会えるようにとの願いが込められた満開の桜のステンドグラス。軽やかな春の風に吹かれて舞う桜吹雪、その夢のような世界を実現するにあたって選ばれた数種の希少なピンクのグラスサンドブラストによる稠密な彫琢と散りばめた五万粒のスワロフスキークリスタルが、夢の滴が透き滴るように花びらのきらめきと薫りを演出しています。春の色が今日も頭上から散り零れて美しいさまを表現しました。

エントランス壁面
花の回廊、舞う桜をイメージして古きと新しきが共存する都の華やかさを花びらの素材と刺繍の文様で表現しています。フォションピンクの花びらは西洋の縦ライン文様、薄ピンクの花びらでは東洋の六角文様を施し、真鍮の花びらでは経年変化の美しさを古美色で磨き仕上げの輝きで新しさの対比を表現しています。

客室階エレベーターホール
桜のステンドグラスでエントランス天井と同様の技巧を駆使しています。連作のように、上の階から桜がはらはらと流れるように各階のデザインを変化させています。

客室階廊下ブラケット照明
着物の帯を締める時に肩に一度かける姿からインスピレーションを受けたデザイン。杉無垢材一枚板にデザインされた桜文様を一枚一枚糸鋸で切り抜き、それから曲木の技法で3面に曲げて製作。京都らしく桜のモチーフを施すことで行燈のように光るブラケット照明がお部屋まで導いてくれます。

大階段手摺
鳳凰が翼を広げ、その翼から花々がこぼれ落ちる様を表現しています。花々には日本のクラシックな様式の文様をアレンジし、翼にあたる部分は鉄を加工することで出来る曲線を生かしました。装飾的な要素に素材感や技法の特色を加えることで、作品としての深みを持たせることを狙って制作されています。
アート作品
フォションホテル京都のためだけに作られたオリジナルのアート作品が点在しています。
客室だけでなくパブリックエリアでもご鑑賞いただけます。

陶作品「CERAMIC CIRCLE」
10階エレベーターホールに、中央に花器を配した印象的な陶器のオブジェ。これは京都に江戸時代から続く「清水焼」の陶工・八代清水六兵衛によるもの。究極にシンプルな形の中に求心性や発散性といった“外や内に向かう強い力”を内在した「円」がモチーフ。窯の中で高温で焼成する際に発生する“重力によるたわみ”を完全にコントロールし、極めて自然なゆがみのラインを巧みに造形に取り込み、“より普遍的な形”の表現を目指した作品です。表面はシャープな造形に相応しい光沢のない黒の釉薬を使い、より一層存在感が際立つ様にしています。

レストランソファー席横オブジェ
フランスのマルシェに並ぶフレッシュな食材で花束を作るように表現された磁器のオブジェ。ズッキーニ、人参、アーティチョーク、ナス、かぼちゃ、メロン、チーズ、きのこ、すぐり、ベリー、サボテンの実など、10種類以上、実に100パーツに及びます。そのひとつひとつは、鋳込み成型や手捻り、絞り出し技法などオリジナルの制作方法により成形し、さらにそれぞれの食材に応じて様々な釉薬を施し、個々の特徴を引き出す、引き立てるように意図されています。陶芸の手法、表現力を最大限に駆使して、楽しく、生き生きとした、デザイン的にも美しい作品に仕上がっています。

陶作品「白の連想」
エントランス風除室内両脇に陶芸家板橋廣実による作品が設置されています。抽象的な観念を具体的なカタチにするための手法を常に探求するのが作家の基本的な創作姿勢。この作品は“上昇していく観念”をシンプルにスタイリッシュに形に表してみたい、という思いの結実であると作家は言います。1600ミリもある陶器を歪みなく焼きあげるにあたっては作家が独自に考案した“焼き方”によって初めて実現しました。フォションホテル京都のファサードを飾るにふさわしい“無限の上昇”を具現化した作品です。

モノクロフォトグラフアート
京都の風景や名刹を印象的に切り取った光の印影が美しい写真家モリ川ヒロトーによる撮りおろしのフォトグラフアートを各フロアに設置。モノクロでありながらも、艶めくその存在感は、フォションホテル京都のアートワークの核となっています。全88枚の作品の内、作家の遊び心で1枚だけ写真家の出身地、制作拠点である金沢の写真が紛れています。金沢城壁犬走り、石垣下、お堀通り脇に咲く桜の光景が印象的ですが、さて、どこにあるでしょう?

レストラン壁面墨絵作品
東山の風景を抽象化して表現した作品。“人々の想いの重層”の中から朧気に立ち現れる“東山”を幾重にも塗り重ねた薄墨のグラデーションで表現しました。時間と積み重ねるようにゆっくり何度も重ねる行為が、そこに堆積した風景を生み出します。京都千年の時の流れ、幾世代にも渡って眺められてきた山並み、稜線が、窓越しの東山の風景に反射するかのように対比され、配置されています。
レストラン/ティーサロン/BAR
レストランやティーサロンにもこだわりの意匠が施されています。
グルメを楽しむ場で、皆様の美的感覚をもときめかせる要素となっています。

レストランエントランス
正方形の集まりによって構成されるアートフォールであり、立体と平面のパーツにより立体的に視覚に訴えます。正方の繋がりによって碁盤状に形成される京の街並みを連想させ、眼下に見える連なる屋根をイメージしています。ゴールドとブラックとシルバー、ホワイトの色構成、磨き(艶あり)と消し(艶けし)により、クラシックでありながら、モダンの表現に成功しています。金物のパーツは京の伝統工芸の京銃金具職人の手によるもので、銑釘が特徴的です。

ティーサロン横廊下組子スクリーン
桜のデザインは数多い組子の中でも人気のあるデザイン。桜には稲の神が宿り、花の開き具合でその年の豊凶を占う習慣があり、豊作祈願、富貴繁栄の願いも込められています。杉材の含有成分に特殊な水溶液を融合して発色させました。杉の魅力を阻害しない自然な発色で、古い茶室のような枯淡な色味が特徴で、古都「京都」にも馴染む古くて新しい木材となっています。

レストラン天井吊りアート
フォションの真髄から伝統に裏打ちされた技術から生まれる創造性と時代の最先端を目指すコンテンポラリーな独創性を表現。シャンパンの泡に見立ててスパークリングに配置しています。

レストランチェア
フランスのフォションで使用されているチェアのデザインを守りながらも、チェア張地には和をイメージさせる紫の西陣織とすることで、京都ならではの特別感を感じられるデザインとしています。色香のあるバーガンディーレッドに糸を染め上げ、銀糸と組み合わせました。柄のパターンには複雑な霞紋に霰紋を組み合わせて複雑な霞霰紋様に仕上がるよう工夫しています。

ティーサロン・バーエリア特殊照明
黒漆の箱が積み重なったような構成とし、発行部分には素材感のある和紙を用いています。バーにいながらも、照明の光で和が感じられるデザインとすることに成功しています。

